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お金がなくても仕事が出来た。
大きな損をすることもある。 個人だったら当たり前ですけどやっていられませんよね。
会社だからこそ大きいバッファーがある。 したがってそういう大きい勝負が出来る。
要するにリスクキャピタルと称する資源すなわちいくらまで負けても大丈夫というバッファーを使って、大きな勝負をしていたわけでお金はほとんど必要なかったのですね。 Iさんが質問されましたように1年後の先物取引を相手行がやってくれるかというと、Mという名前だから相手が取引してくれるわけです。
そういう信用とか、ある程度まで損が出来るバッファーとか、そういうものを使って私は仕事をしていたんです。 お金はほとんど使っていなかったんです。
それは私が使っていた債券先物、為替の先物、金利スワップ、オプションが、すべて契約だけで、すぐにはお金の必要ないものだったからなんです。 オフバランス取引と言われるのはそういうものなんです。

お金がいるということはお金を使えば全部バランスシートに載りますよね。 借金をして、現物債を買えば資産の方には現物債が増えて、負債の方には借入金が増える。
バランスシートが膨らむんです。 アメリカではROA(リターン・オン・アセットリ総資産利益率)を気にしますからバランスシートが膨らむのをものすごく嫌がるわけです。
バランスシートを使わないで儲けるというのが重要なんです。 例えばこの前Mさんが、東京スタイルはバランスシートを無駄に使っていると文句を言っていましたよね。
まさにあれで、「バランスシートを無駄に使わず、効率よく利益をあげよ」というのは米国では非常に重要なのです。 そうしないと株価は上がりません。
先物をやればバランスシートはほとんど使わないわけです。 証拠金だけですから。
バランスシートを使わないで儲けられるということで、デリバティブは非常に魅力的な取引なのですね。 もう一つ、お金を使わないということは信用リスクもそんなに大きくならないというメリットがあります。
1億円のお金を貸していれば、相手が倒産すると1億円パーになってしまいますよね。 1億円の現物債券を買っていて発行会社が倒産すれば、1億円パーですよね。
債券先物の場合、たとえ証券取引所がつぶれてしまったとしてもせいぜい提出している証拠金がパーになるだけです。 クレジットリスクはすごく少ない。
為替先物のところで説明したリプレースメントコストはかかりますけどね。 金利スワップの場合も、相手が倒産した場合には、リプレースメントコストだけなんですね。

xx億円の金利スワップをやっていても、相手がつぶれた場合にxx億円がパーになるわけじゃ決してないんです。 これはあとで話します。
それだけちょっと覚えておいてください。 ですからバランスシートは使わないし、クレジットリスクをめちゃくちゃに使っているわけじゃないということで、金利スワップをはじめとするデリバティブは取引するには非常に魅力的な商品なのです。
どんどん取引規模が拡大しているというのはそういう理由があります。 それから重要なポイントの2番目は、スワップとは教科書を見ると「長期金利と短期金利の交換」だとか、「信用力の交換」だとか書いてありますけれど、そういう理解よりも金利スワップというのは長期金利商品の一つであるというふうに覚えておいていただきたいと思います。
これは、おいおい説明していきます。 話を聞いていただければお分かりいただけると思います。
では、まず金利スワップとは何物やという話をします。 一般的なのは固定金利と変動金利、すなわち短期金利との交換なんです。
固定金利が円で、変動金利がドルの場合は為替スワップ。 固定金利も変動金利も交換するのが両方とも円の場合には金利スワップと言います。

基本形は金利スワップですから、こっちを説明します。 例ですけれど、5年の金利スワップxx億円をM銀行とTM銀行がやった。
M銀行が固定の受けです。 固定金利は5%だとします。
これはどういうことかというと、M銀行がTM銀行から半年に一ベん5%をもらい、実質的には半年分ですからこの半分ですね。 M銀行がTM銀行に6カ月LIBORを払いますよ。
こういうことなんです。 固定金利はxx億円×5%を半年に一ベん、ですから、本当は、365日分の180何日分って計算するんですけど、分かりやすくするために2分の1とします、半年分ですから。
2500万円をM銀行はTM銀行から半年ごとにもらうんです。 こういう約束なんです。
M銀行が払うのは6カ月LIBOR。 ロンドン・インターバンク・オファード・レートですね。
6カ月LIBORというのは6カ月の金利で、6カ月ごとに金利は変わるわけです。 契約したときのイールドカーブては5年が5%、6カ月が3%だとします。

最初の6カ月LIBORは3%、ですから、最初の6カ月間は1500万円。 最初の6カ月間はM銀行は東京三菱から2500万円もらいTM銀行に1500万円払うわけです。
M銀行はね。 1000万円儲かっちゃった。
6月xx日からxx月xx日まではM銀行が2500万円もらって、1500万円払いました。 xx月xx日になりました。
6カ月金利ですから、最初の6カ月金利、すなわち変動金利の方はお役ご免です。 次、xx月xx日のイールドカーブがどうなっていたかというと5年が7%。
金利は上がったとします。 6カ月も6%に上がっていたとします。
イールドカーブが、全体的に持ち上がっていた。 固定金利サイドは皆さんが住宅ローンを借りるときに固定金利で借りるのと同じです。
5年間、2500万円ずつ6カ月間に一ぺん計xx回受け取るのです。 固定ですからレート・金額は変わらない。
6カ月LIBORは6カ月ごとに、その時々の金利環境で変動するんです。 変動金利なんです。
ですから6カ月たってxx月xx日に6%になっていたら次のxx月xx日から2003年の6月xx日までM銀行は6%の半分、3000万円払わなければいけないんです。 こうなるとM銀行のこの6カ月間の収支は500万円のマイナスです。
固定のほうの受払金額は満期まで変わらない。 変動金利の方の受払金額は契約時には分からない。
最初の6カ月間は分かりますよ。 でもあとの4年6カ月間はマーケット任せ。

決まっていないんです。 最初の6カ月だけ現在の6カ月LIBORを支払うということだけで、あとは出たとこ勝負なんです。
これが金利スワップなんです。 これ、M銀行にとってみると、経済的効果は貸し金と同じなんです。
図表4lMを見てください。 M銀行がT社にお金を貸したとします。
5年の貸し金。 普通、チャートを書くときに太い線で書くのは元本の流れで細い一本線で書くのは利息の動きです。
5年間、xx億円を固定金利5%で貸します。 半年に一ぺんずつ2500万円利息が入ってきます。
何度も言いますけど、M銀行ってリテールバンクじゃない。 個人のお客さんから預金を預かっていないのです。

当時のM銀行は確か最低限5億円とか、はっきり覚えていないけど無茶苦茶に大きい金額でないと個人からお金を預からないのです。 では企業への貸し金の原資をどうするかというと、他の銀行から借りてくるのです。
5年の資し金を固定金利で借りてきて5年の貸し金をするとほとんど儲からない。

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